大学で研究してみませんか 成蹊大学法学部授業体験
TOHO Today高校
進路企画として行っている「大学で研究してみませんか」。新たに、この11月に3つの特別講義が行われました。
そのうちの一つとして、11月19日(月)に、桐朋高等学校卒業で、成蹊大学法学部教授 塩澤一洋先生の授業を見学、体験しました。参加したのは、高校1年生9名です。
一講座目は、すべての法律の基礎である「民法」の大学1年生向けの授業に参加させてもらいました。授業では、ある物や権利を、他者に二重に譲渡した場合の、法律に基づいた考え方について学びました。
授業の最初に、塩澤先生から、桐朋高校生が参加していることをご紹介いただき、
大学生の方にサポートをしていただきながら、授業の課題に取り組みました。授業は、法律の条文をみなで音読したあと、その条文が該当する実際の状況を思い浮かべ、バディとともに二人組で実演します。
示された状況が法律の内容に該当しているのかを、授業の中で検証し、法律の条文をしっかりと理解し、さらには、こうした条文を設けた民法の狙いも読み解いていきます。
二講座目は、大学1年生によるゼミに参加しました。ゼミで扱うテーマも学生が選ぶ形になっていて、参加したゼミでは、著作権法を話題にしていました。
先生が出された課題について、学生がいくつかのグループに分かれて、授業に向けて進めてきた話し合いの内容を紹介し合いながら、それぞれのグループの考えにおける一致点、相違点を整理して、論点を明確にし、理解が深まっていきます。
参加したゼミの最後に、著作権によって著作物が保護されるべきであるのは、有体物と異なり質量のない無体物でありながら社会が財産的価値を認め、独立した知的財産として取引の対象にするという特殊性を著作物が持つからだと説明を受け、いっそう理解を深めることができました。
授業後には、塩澤先生から、法律を学問として学ぶ意義についてお話しいただき、一つは、現実を法律を元にしてとらえ、法の定めるルールを理解し、活用できるようになることだが、それはあくまでも第一歩に過ぎず、法律の成り立ちを理解することで、自分たちでルール、法律を作っていけるようになることが重要であると教えていただきました。
参加した生徒の感想です。
・どの学部を志望するか、迷っていたので、興味のある学部をいろいろと見てみようと思い、参加しました。法学部は、オープンキャンパスでも見学したのですが、普通の授業での空気感を味わえ、オープンキャンパス以上にクリアにイメージすることができました。授業は、正直最初は難しく感じましたが、徐々に理解が進み、後半には法律の条文をしっかりと理解できたので、おもしろい授業だなと感じました。素の学生の雰囲気が体験でき、楽しそうに授業を受けているのだとわかりました。塩澤先生が、アップルペンシルを持って裸足で授業をなさっているのが、印象的でした。(高1)
・大学の授業はどういった雰囲気なのかなと思っていたので、少しだけ大学生を体験できると期待して参加しました。先生が一方的に授業をすると思っていたのですが、実際は学生が積極的に発言していて、先生と学生が一体となって授業をしていたことに驚きました。特に、一番気になっていてゼミにも参加でき、ゼミというもの、学生の取り組みを知ることができて、とても良かったです。先生のiPadを使った授業がとてもわかりやすく、さすが大学だなと感じました。(高1)
・私は文系ではなく、理系志望なのですが、論理的なことが好きで、法学にも興味もあって、法学の授業がどのようなものかを知りたくて、参加しました。一講座目は、思っていたよりも具体的な内容を扱っていて、最初は不安でしたが、隣の大学生の方が丁寧に説明してくださり、二重譲渡に対する考え方について理解することができました。ゼミでは、一つのことをかなり重点的に議論し、掘り下げていくことに驚きましたし、楽しそうだなと感じました。塩澤先生が授業後に、法律を学ぶ意義を教えてくださり、単に法律を学ぶだけではない、ということが強く印象に残りました。何も知らなかった法学について、どのような授業を通して学んでいくのかがわかり、参加して良かったと感じます。(高1)
・文理の選択に迷っているので、参加しました。大学の雰囲気を知ることができたし、法学について理解が持てたので、参加して良かったと感じています。特に、塩澤先生のゼミでの説明はとてもわかりやすく、さすがと思いましたし、学生からの質問にも、丁寧にしっかりと答えている姿に、大学の先生も親切にしてくれるのだなと思いました。(高1)
・文理の選択をする前に、実際に大学の授業を受けてみたいと思い、参加しました。大学の授業は、もっと緊張した感じなのではと勝手に想像していましたが、学生がたくさん発言する形で行われることを知り、とても良かったと思います。授業でもゼミでも、難しい条文を身近な例に置き換えて考えていたし、塩澤先生からも身近な話題を通して説明していただいたので、大変わかりやすかったです。ゼミでは、学生に進行を任せながら、最後には先生が結論まで導いていたのがすごいな、と感じました。(高1)
・行きたい学部を決めかねていたので、とりあえず参加できるものには参加しておこうと思って、参加しました。大学生と一緒に授業を受けることができ、大学の授業を生で体験できたのが、たいへん嬉しかったです。普段体験できないようなことを、特別にさせていただき、ありがとうございました。(高1)
・進学先として法学の分野を考えているわけではないが、法学に興味もあるので、参加しました。法学の学習は、なんとなく六法全書の内容を覚えるようなものかと思っていましたが、法律を使えるようにするのが法の学びだと知り、さらに法学っておもしろいなと思いました。「法を作る」のが、法律学を極めた先にあるものだと聞き、なるほど、奥はとても深いのだなと再認識しました。ありがとうございました。(高1)