医学部志望生・OB医学部生・OB医師がつながる 桐朋医学の輪

桐朋中・高等学校の大きな特徴の一つが
医療の道に進んだOBたちの交流会です。
桐朋OBの医師同士、あるいは桐朋OBの医学部生と医師が大学の垣根を越えて、
「桐朋」の名の元に、強いつながりをつくっています。
医学部生が医学部志望の在校生をサポートするイベントも好評です。
今回はそんな“桐朋医学の輪”の中心として活動をしてきた4人にお話を伺いました。

どのようなきっかけで、こういったつながりが生まれたのでしょうか?

小島:僕らが高校の頃にも、学校にOBの方がいらっしゃって将来について話してくださる機会はありました。
ただ皆さん、とても上の先輩だったので、受験を経験した直後の大学生の話を聞ける機会はほとんどなかったんです。
そこで自分たちが大学に入ってすぐに、医学部志望の後輩のための活動を始めようと思いました。同じ高校から医学部に進んだというのはやはり親近感が湧きますし、いろいろと情報交換もしやすいと思ったんです。

生坂:その立ち上げが2013年で、それから数年の間に徐々に輪を広げて、医療の現場で活躍する桐朋出身の先生達にも声を掛けていきました。今では350人ほどの会員が交流会の名簿に名を連ねています。

昨年行った在校生向けのイベントはいかがでしたか?

樋口:2017年に高校で開催したイベントは、東京だけでなく地方からも約20の大学の学生が集まってくれました。集まったたくさんのOB達を見て、みんな本当に桐朋が好きなんだと実感したのを覚えています。その日の会は二部構成で、前半は医学部の学生が中・高生に大学紹介、そして受験に関するアドバイスを行いました。

柳沢:後半は杏林大学の矢島先生にバトンタッチをして、在学生に僕らと一緒に講義を受けてもらいました。いわば“プレ医学生”を体験してもらって、医学生ってこんな感じなんだ、と知ってもらう機会を作りたかったんです。
さらに保健室に移動して、お腹に手を当てて肝臓を触るなど、実技も一緒に体験してもらいました。当日は先生1人では手が回らないので、前日に僕ら4人が杏林大学に伺って、診察の方法をあらかじめ学んでから臨みました。

小島:僕ら自身も他大学の先生から指導を受ける機会というのは普段なかなかありません。こんな風に大学の枠を越えて学べるというのも、桐朋OBの交流会のとても有意義な点だと感じています。

  • ▲桐朋OBの医師と医学部生との交流会

受験生には具体的にどんなアドバイスをされていますか?

樋口:毎年、だいたい高校2年生の秋の修学旅行から帰ってくると、先生方から「次は受験だから一段ギアを上げていこう」という話をされるんです。でも、そこから1年以上勉強を続けるわけですから、いかにモチベーションを保っていくかが大切です。
モチベーションを維持するためには、例えばオープンキャンパスに行って、そこで勉強している自分を想像してみたり、
大学生と話をして具体的にイメージを持ってみて、と伝えています。きっとやる気につながると思うので。
それから模試の判定が思うようにいかなくても、あまり気にしすぎないで、最後の最後には伸びると信じてほしいと言っています。僕も先生に同じ言葉をかけてもらって、最終的には間に合った一人なので。

小島:受験対策として、医学部だからこれが出やすいというのはないと思っています。どの大学を目指すにしても、すべての教科を万遍なく勉強することが大事です。
僕なんかは受験時代に本当に易しい問題集を読んでいました。それも理解できないとすれば、絶対それ以上の問題は解けないと思っていたので。とにかくベースになる簡単なのものを読んで、あとは過去問をひたすらやる。自分で決めたら最後まで外さずにやり続けることも大事です。

生坂:問題集といえば、桐朋のオリジナル問題集はとても使えるんです。塾ではごく一部の教科を受けただけで、数学・英語・物理・化学は高校の授業とその問題集でベースを作ることができました。桐朋の問題集って、易しい問題から絶対に解けないだろう難しいものまで載っているんです。解こうと思っても全然歯が立たないから、ここはまだ理解が足りないんだ、と気付ける。よくある受験のコツとかは意識せず、桐朋の流れにのって勉強していました。

▲桐朋のオリジナル問題集

生坂医学部を目指す学生には、あえて「本当に医学部でいいの?」と言っておきたいですね。医学部ってやっぱり入ってからが大変で、勉強することが多すぎて、自分もとても苦労したからです。
本当に大変だから考え直して、それでも行きたい気持ちが強ければ挑戦すればいい。入ってからも、覚悟の上でだったら頑張れると思うので、あえてそう伝えておきたいです。

柳沢:高校生にとっては、どうしても医学部に入ることが目標になってしまうと思うのですが、そのゴールでひと息ついてしまうわけにはいきません。特に医大は成績不良には容赦ないですから。
でも、それはやっぱり人の命を救う職業を目指すわけだから厳しくて当たり前なんです。ぜひ受験の先を見て頑張ってください。

貴重なお話ありがとうございました。