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都築高人君、数学論文コンテスト受賞!

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都築高人君(2年C組)が長﨑大学教育学部の初等数学論文コンテストで審査員賞を受賞しました。論文のタイトルは「既約分数の和の公式」。都築君の証明した公式を使うと、「9を分母とする正の既約分数で、100より小さいものの総和を求めよ。(甲南大学2019)」という問題が瞬時に解くことができます(ちなみに答は、30000です)。

都築君のコメント
「昨年、同賞を受賞した『都築・栗原の定理』は3つの素因数の場合に限られていましたが、これが3つ以上の素因数、またその素因数の累乗まで成り立つことは予想できていました。その証明のアイデアもできていて、昨年の11月末には証明の穴やミスをなくすことはできていたと思います。今年の7月、夏休みに入ってからTeX(テフ,文章に数式を組み込むソフト。無料)をダウンロードして、8月末までの部活動のない日は寝食を忘れるくらい没頭して完成させました。が、清書は締切の9月末日ギリギリまでかかりました。論文を作成しているときは、TeXで書くことがものづくりに似ているようで夢中になりました。応募した後は、論文が完成した達成感に満たされていました。が、審査結果が送られてくる日が近づくにつれて、『ちゃんと長﨑大学に届いているかな』『どんな賞でもいい』などといろんなことを考えましたが、レターパックが届いて、中に賞状が見えたときは安堵しました。1~3等でなかったのはちょっと残念です。夕飯を一緒に食べないなど、親には迷惑をかけましたが、受賞をとても喜んでくれました。
これからは、まず冬の数学オリンピック予選に向けて勉強することと、『フェルマーの小定理』について気になっていることがあるのでそれについて探求していこうと思っています。今回、探究する楽しみを身に染みて感じたので、将来的には理学系や医学系に進んで研究をしてみたい、と思いました。」

昨年の論文の共著者・栗原忍教諭のコメント
「昨年、審査員の方から定理の拡張の可能性があることを書面にて伝えられ、それを都築君に伝えに行ったときに『先生、実は…』とその拡張の証明の下書きを見せられました。『ああ、越えられた』と思いました。その後に私がしたことは、その証明を翌年に投稿するようにと言うこととTeXなどの数式ソフトを紹介することでした。この秋になって『応募したかな?結果は出たかな?』と気になっていましたが、廊下ですれ違っても声は掛けませんでした。応募していたら、結果発表までソワソワするのは理解できるので。結果が出てから完成した論文を見せていただきましたが、定理の拡張が下書きのときよりも広くなっていて、完成度と合わせてとても驚きました。また、フリーウェアを使うなど倹約の姿勢も素晴らしい。最初は『都築・栗原の定理』でしたが、もはや『都築の定理』です。私は別のテーマを探します。おめでとう、都築高人!!」