桐朋×英国パブリックスクール ハロウ校との交流一歩踏み出した4人のことば

ハロウ校サマースクールとは

ハロウ校が主催するサマーコースは15日間にわたって行われ、滞在中はハウス(寮)で生活します。
課外活動の日を除き毎日3~5時間の英語の授業があり、授業中は話すこと・聞くことに重点が置かれます。
課外活動ではスポーツなどのアクティビティのほか、ハンプトン・コート宮殿見学やケンブリッジ見学など、
イギリスの文化を感じられるプログラム内容です。

新しい出会いや発見の連続!
ハロウ校での15日間を振り返る、生徒インタビュー

桐朋中学校・桐朋高等学校(以下、桐朋)では、イギリスの名門ラグビー校との交流をきっかけに、
2017年からハロウ校との交流を開始。
教員同士の行き来などを経て、2019年夏に初の桐朋生のためのサマーコースが実現しました。
参加した生徒たちの中から4名に集まってもらい感想を伺いました。

日本語が通じない15日間、英語を話すことに自信がつきました。-中学3年生 河野圭紀くん

これまで勉強してきた英語が海外でどれだけ通用するのか気になり、応募しました。初めての海外は不安もありましたが、イギリスが舞台になっている小説を読んだこともあったので、どんなところか自分の目で見てみたいという気持ちも強かったです。
サマーコースの15日間は、授業もアクティビティの時間も全て英語。学校の中でも外でも、まわりの人がみんな英語を使っていて日本語が通じないという環境は、なんだか不思議な感覚でした。見慣れない・聞き慣れない単語でも、英語を母語としている人たちと一つ屋根の下で暮らすと、実際に言葉を使うシチュエーションが想像しやすくなりました。そんな環境で過ごせたのは貴重な経験ですし、知らない人にも英語が伝わった経験は自信になりましたね。

サマーコースがきっかけで、自発的に行動できるようになれました。-中学3年生 古山円造くん

ある日の自由時間中、路上パフォーマーを「格好いいな」と思って観ていたら、サマーコース中に引率をしてくれるアクティビティリーダーに「君も歌うんだ!」と背中を押されました。とても恥ずかしくて迷ったのですが、思い切って歌ってみました(笑)。そこから気持ちが吹っ切れて、その後は臆することなく行動できたように思います。この経験がきっかけとなり、帰国後は人前でライブをしたいと考えるようになりました。サマーコースを経験して自発的になれたかなと思うので、学校の行事でも生かしていきたいと思っています。英語での会話は相手に伝えたいことを伝えられず、もどかしい思いをすることもありました。だからこそ今は自分が努力すべき点が見えたし、英語力をもっと伸ばしたいと強く思っています。

悔しい思いもしたからこそ、英語へのモチベーションが上がりました。-高校1年生 増田光希くん

元々英語には苦手意識がありましたが、本場で学んでみたいという気持ちが強くてサマーコースに参加しました。ハロウ校は伝統のある学校ですが、“スポーツができる環境が整っている”、“自由な校風”という点が桐朋と似ているなと感じました。アクティビティでは、いろいろな国籍の人でチームを組んでサッカーをする機会もありました。一緒に身体を動かしたことで連帯感も生まれて、自然と仲良くなれたように思います。でも、アクティビティでも授業でも、どうコミュニケーションをとればいいか分からないときも多かったです。悔しかったけど、英語に対するモチベーションが上がって、もっと話す力を伸ばしたいという気持ちが強くなりました。これからも留学などで海外の文化に触れてみたいし、イギリスとは違う国にも行ってみたいです。

話せる語彙を増やして、英語でより深い話がしてみたいです。-高校2年生 高澤裕斗くん

サマーコースに参加したのは、プログラム内容に興味が湧いたことと、日本とは異なる文化圏で暮らす人たちとの交流が楽しみだったからです。大きなホールでハロウ校に関する講義があって、そこで質疑応答の時間がありました。誰も質問をしなくてホールは静まり返ったのですが、僕は教育問題に関心があったので質問をしました。緊張していて、質問の内容は覚えていないのですが……(笑)。大勢の人の前で質問することで、度胸がついたように思います。
英語での会話のときに、これまで習った平易な単語も全然出てこなくて驚きました。それで実感したのは、書く語彙と話す語彙は違うということです。これからは話す語彙を増やしていき、相手と英語でより深い話ができるようになりたいと思います。実践的な通じる英語を意識して身に付けていきたいです。

生徒たちの着実な成長と国際交流のこれから

15日間を共に過ごしたからこそわかる生徒たちの成長とはどのようなものでしょうか。
サマーコースへ生徒たちを引率した教員、秋山安弘先生と田中敦英先生に感想を伺いました。

秋山安弘先生(写真右)、田中 敦英先生(写真左)

Q1.サマーコースを行うにあたって、生徒たちに期待していたことはありましたか?

  • 田中

    イギリスでもふつうに人々の暮らしがあり、学校生活があることを体感してほしいと思いました。日本人とは価値観が異なることもありますが、共通することもたくさんあります。バーチャルでいろいろなことができる時代ですが、リアルなイギリスでの暮らしや学校生活を感じて欲しいなと思いました。

  • 秋山

    私は、彼らがサマーコースによって大きな刺激を受けるであろうと確信していました。イギリスという国の歴史と文化、ハロウ校の荘厳な雰囲気。中学生・高校生の彼らにとって、得る物は大きいはずだと思いました。

Q2.サマーコースで感じた生徒たちの変化や、今後の海外交流について教えてください。

  • 田中

    身体を動かすアクティビティがたくさんありましたが、身体を動かしながらコミュニケーションをとっているうちに打ち解けていき、授業でも良い変化が現れたように思います。英語を単なる話すツールとしてではなくて、気持ちを伝えるために自分ごととして使い、「言葉を上手になりたい」というモチベーションが高まっていくのを感じました。

  • 秋山

    生徒たちから感じたのは、緊張からくる殻と、日本人として持つ恥じらいの殻を持っていること。それらを少しずつ破っていく姿を見ることができて、彼らの確かな成長を感じました。英国パブリックスクールとは、これまでの縁を大切に、細く長く絆を育むという認識でお付き合いを続けています。
    ハロウ校との先生とは、ハロウ校の生徒を桐朋に招くことができればと話しています。

サマースクールの前後で、心境や目標に変化があった生徒たち。
ハロウ校のスタッフが万全な体制を整えてくれたおかげで、
のびのびと15日間を満喫できました。
2017年から続くハロウ校との交流は、着実に強い絆へと変化してきています。
今後も、英国パブリックスクールとの交流を大切にしていきたいと思います。